マウスピース矯正に有用な口腔内スキャナー選定ガイド
🦷今回はマウスピース矯正に使える口腔内スキャナーについて解説します。
オーラルスキャナー選定の優先順位ガイド
導入前に押さえるべき8つの評価項目とチェックポイント
近年、歯科医療におけるデジタル化の進展とともに、口腔内スキャナー(オーラルスキャナー)の導入を検討する歯科医院が増えています。
しかしながら、数ある製品の中から自院に最適な1台を選ぶには、明確な評価基準が欠かせません。
ここでは、導入前に確認すべき8つの重要な評価項目と、選定時に考慮すべきチェックポイントを解説します。
■ 評価項目とその重要性
1.精度・精細度(★★★★★)
スキャナーの最重要項目ともいえるのが精度です。補綴物の適合性、矯正治療の精密なシミュレーション、診断の正確性に直結します。各製品の精度については、論文や第三者による比較資料を参考にすることが有効です。
2.ユーザビリティ(★★★★☆)
スキャナーの操作性やUI(ユーザーインターフェース)のわかりやすさは、院内での活用度を左右します。誰でも直感的に操作できること、導入後すぐにスタッフが使いこなせることが重要です。
3.スキャン速度(★★★★☆)
スキャン時間の短縮は、患者にとってのストレス軽減に直結します。特に小児や高齢患者に対しては、より迅速な撮影が求められます。また、診療効率にも影響を与えるポイントです。
4.データ互換性(★★★★☆)
スキャナーで取得したデータが、.STLや.PLYといったオープンフォーマットに対応しているかは非常に重要です。既存のCAD/CAMシステムや3Dプリンタ、外部ラボとのスムーズな連携には必須の条件です。
5.ポータビリティ(★★★☆☆)
チェアサイドでの使用が想定される場合は、機器のサイズや持ち運びやすさも考慮する必要があります。院内の複数ユニットで使い回す場合は、収納性や移動のしやすさも評価対象です。
6.サポート・メンテナンス体制(★★★★☆)
トラブル時の迅速な対応、国内代理店のサポート体制、導入時のトレーニングの有無なども大切な判断材料です。特に初期導入段階では、手厚い支援が安心材料となります。
7コスト(導入+維持費)(★★★☆☆)
本体価格だけでなく、月額利用料、ライセンス費用、保証延長費用など、トータルでのコスト把握が必要です。初期費用の安さだけで選ぶと、後々のランニングコストが高くつくケースもあるため注意が必要です。
8.患者の快適性(★★★☆☆)
スキャン中の発熱、静音性、口腔内に挿入するチップのサイズなど、患者の快適性も見逃せない評価ポイントです。患者満足度に直結するため、細部まで確認しましょう。
■ 選定時に確認したいチェックリスト
- 自院の診療スタイル(補綴中心/矯正中心/混合型)にマッチしているか?
- スタッフのスキルレベルやITリテラシー、学習意欲に合っているか?
- 将来的なデジタル設備(CAD/CAM、フェイススキャナー等)の導入計画との整合性は取れているか?
- 既存の技工所・ラボとのデータ連携がスムーズに行えるか?
- 他院や同規模クリニックでの導入実績・評価はどうか?(セミナーや見学での情報収集も有効)
オーラルスキャナーの導入は、診療効率や患者満足度の向上だけでなく、医院全体のデジタルシフトを支える大きな一歩です。
単にスペックや価格で選ぶのではなく、「自院にとって最適かどうか」を多角的に検討することが、成功の鍵となります。
用途によって購入すべき口腔内スキャナーは異なりますので、よく吟味して購入を検討されてください。
以上、参考にしてみてください。

