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【ご報告】当院の研究論文が国際的な歯科専門誌「Journal of Dentistry」に正式アクセプトされました!

当院の研究論文が国際的な歯科専門誌「Journal of Dentistry」に正式アクセプトされました

このたび、水原院長の研究論文が、国際的な歯科専門誌 Journal of Dentistry に正式アクセプトされました。

今回のアクセプトは、当院が日々の臨床で取り組んできたデジタル歯科治療の知見が、国際的な学術誌において科学的価値のある研究として評価されたことを意味します。

Journal of Dentistry 掲載論文
Adaptive digital workflow for virtual patient modeling: Integrating static registration and six-degree-of-freedom jaw tracking
筆頭著者:Ken Haku-Mizuhara


Journal of Dentistryとは?

Journal of Dentistry は、歯科医学全般に関する研究を扱う国際的な専門誌です。

補綴治療、デジタル歯科、咬合、審美、歯科材料、臨床技術など、幅広い分野の研究が掲載されており、世界中の大学・研究機関・臨床家から論文が投稿されています。

国際的評価指標:Impact Factor 5.5 の専門誌

Journal of Dentistry は、ElsevierのJournal Insightsにおいて Impact Factor 5.5、CiteScore 7.5 と表示されている、歯科分野でも国際的評価の高い専門誌です。さらに、Scopus、MEDLINE、Science Citation Index Expanded(SCIE)などにも収載されています。

Impact Factorとは、学術誌に掲載された論文が、世界中の研究者からどの程度引用されているかを示す代表的な指標です。

Clarivateによると、Journal Impact Factorは、その雑誌に過去2年間に掲載された論文が、対象年にどれだけ引用されたかをもとに算出されます。

つまり、Impact Factor 5.5 という数値は、Journal of Dentistryに掲載された研究が、世界の歯科医学研究の中で高い注目度と影響力を持っていることを示す一つの指標といえます。

もちろん、Impact Factorは個々の論文そのものの価値を単独で評価する数字ではありません。しかし、学術誌レベルでの引用影響力を把握するための重要な指標であり、国際的な研究評価において広く用いられています。

このような国際的評価指標を持つ専門誌に当院の研究が掲載されたことは、日々の臨床で培ってきた知見が、世界の歯科医学分野においても価値あるものとして認められたことを意味します。

また、Journal of Dentistryは、大学や研究機関に所属する研究者にとっても掲載のハードルが高い国際誌の一つです。そのような専門誌に、臨床家・開業医として取り組んできた研究論文が掲載されることは、単に研究テーマが評価されたというだけでなく、高い臨床的洞察、日々の診療に基づく問題意識、そして国際的な学術基準に耐えうる研究内容が認められた証といえます。

今回のアクセプトは、当院が臨床現場で実践してきたデジタル歯科治療への取り組みが、学術的にも臨床的にも国際基準を満たすものとして評価された、大きな成果です。


今回の論文テーマについて

今回の論文テーマは、
「4Dバーチャル患者モデルを用いた、より精密なデジタル補綴治療のための新しいワークフロー」
です。

バーチャルペイシェントとは、患者様のお口の中だけでなく、顔貌、骨格、歯列、噛み合わせ、顎の動きなどをデジタル上で統合し、コンピューター上に再現した“仮想患者モデル”のことです。

今回の研究では、

・顔貌スキャン
・CBCT画像
・口腔内スキャン
・顎運動測定データ
・AIによるランドマーク検出

を統合し、患者様ごとの噛み合わせや顎の動きをより正確に反映した診断・設計を行うためのプロトコルを提示しています。


今回の研究で示した新しいポイント

本研究では、単にデジタルデータを集めるだけでなく、患者様の顎の動きが安定しているかどうかを評価し、その結果に応じて治療設計の方法を選択するという点が特徴です。

具体的には、

・顎の動きが安定して再現できる場合
 → 顎運動データを統合した 4Dバーチャルペイシェント を使用

・顎の動きにばらつきが大きい場合
 → 静的な基準点を用いた 3Dバーチャルペイシェント に切り替える

という、患者様ごとの状態に合わせた“適応型デジタルワークフロー”を提案しています。

これにより、すべての患者様に同じ方法を当てはめるのではなく、機能的な安定性を確認したうえで、より適切なデジタル設計を行うことが可能になります。

Journal of Dentistry 掲載論文 Figure


患者様にとってのメリット

この研究で示したデジタルワークフローは、特に審美性と機能性の両方が求められる補綴治療において、大きな臨床的価値があります。

患者様にとっては、

・噛み合わせをより精密に設計できる
・顎の動きを考慮した補綴物を作りやすい
・治療後の調整を少なくできる可能性がある
・見た目だけでなく、機能面にも配慮した治療計画が立てられる
・複雑な補綴治療において、より個別化された診断が可能になる

といったメリットが期待されます。

特に、前歯部の審美修復や全顎的な補綴治療では、見た目の美しさだけでなく、顎の動きに調和した噛み合わせを設計することが非常に重要です。

本研究は、そのような高度な治療をデジタル技術によってより正確に、より再現性高く行うための方法を示したものです。


この研究が持つ臨床的価値

従来の補綴治療では、患者様の顎の動きを完全に再現することには限界がありました。

しかし近年、顔貌スキャン、CBCT、口腔内スキャン、顎運動測定装置、AI技術の進歩により、患者様ごとの状態をより立体的・機能的に把握できるようになってきています。

本研究では、これらのデジタル情報を統合し、さらに顎の動きの再現性を数値的に評価することで、4Dデータを使うべきか、静的な3Dデータを使うべきかを判断する流れを提案しました。

これは、デジタル歯科治療を単なる“便利な技術”としてではなく、患者様ごとの機能に合わせて使い分けるための実践的な方法です。


院長より

デジタル技術を活用することで、これまで見えにくかった顎の動きや噛み合わせの情報を、より正確に治療計画へ反映できるようになってきました。

今回の研究は、患者様一人ひとりに合わせた、より精密で機能的な補綴治療を実現するための一つのステップです。

今後も臨床と研究の両面から、より質の高い歯科医療を追求してまいります。


今回のアクセプトは、当院が大切にしている「臨床・教育・研究」の三本柱のうち、研究分野における大きな成果です。

今後も最新の知見を日々の診療に還元し、患者様により良い医療を提供できるよう努めてまいります。