正しい入れ歯の作り方
審美オールセラミッククラウン、入れ歯、インプラント、など被せ物、補綴物にも色々ありますが、その中でも入れ歯の出来映え、その精度は歯科医師の手仕事にかかっていると言えます。
一般的に入れ歯作りの際、型採りは一度しか行いませんが、精度を求めるのであれば、2回型採りは行う必要があります。
1度目は、外形印象、その模型を使ってカスタムトレーを作成します。顎堤の形にあった型採り用のトレーです。それを使って今度は顎や粘膜を動かした時の型をとります。いわゆる筋形成、ボーダーモルダリングとも言われます。
筋形成を行なったカスタムトレーを用いて、型を採ったのがこちらです。
その型に石膏を流して、再度模型に起こします。その模型を作りにも、ボクシングといって周囲を均一に石膏で固め、カスタムトレーが変形しないよう注意する必要があります。
その型から、今度はWax rim、ロー堤という入れ歯の原型のようなものを作成し、上下の噛み合わせの肩採りを行います。
そして、フェイスボートランスファーで、上顎と下顎を正確に位置付けし、中心位で高さ、3次元的な位置関係を正確に位置付けて、上下の噛み合わせを決定します。
次にロー堤に人工歯を並べていきます。もちろん、1本1本の人工歯を手作業で並べていきます。この作業は非常に難しい。。
口腔内にセットしてみて、審美性、発音、高さなどに違和感がないかチェックし、問題なければ完成となります。
入れ歯が完成したら、また噛み合わせをチェック。クリニカルリマウントといい、再度咬合器に付着して、噛み合わせを調整していきます。
いかがでしょう。この手順は基本的な決まりを紹介しただけで、一つ一つの手順、作業にそれぞれ歯科医師の技量が問われます。どうやって型を取るか、噛み合わせをどの位置で決めるか、人工歯はどう排列するか、噛み合わせの調整をどうするか、全て患者さんの状況によって違ってくるからです。
入れ歯作りの手間暇が少し理解していただけると幸いです。