矯正治療、審美歯科治療に必須!デジタル顎運動軌跡の記録装置であるzbrisを使ったセラミッククラウンの製作に関する最新の論文!その1
今回は歯科医師、歯学部生、大学研究者、大学院生向けに、世界的権威であるJournal of Prosthetic dentistryに掲載された最新の論文、「Dynamic modelling of the anterior guidance slope using a jaw tracking system in a fully digital CAD-CAM workflow」の要旨、日本語訳、その意義、改善点、今後の展望、そして研究テーマを整理してお伝えします。
矯正治療にも今後は導入が予定されている装置です!
患者固有の動的咬合を矯正治療、審美治療に生かしていけることになるでしょう。
📝 論文の日本語要約
本研究は、顎運動計測装置(Jaw Tracking System: JTS)を用いて患者固有の下顎運動をデジタルに記録し、上顎中切歯のパラタル形態を仮想設計する手法を提示しています。iTeroスキャナーとZebris製WinJaw+を使用し、取得したデータをexocadに統合。プロトルーシブ運動に基づいた形態設計を行い、切削加工されたジルコニアクラウンを製作しました。その結果、咬合調整を行うことなく、滑らかな機能運動が得られ、臨床的にも再現性のある補綴装置の製作が可能であることを示しました。
✅ この論文の意義(Clinical Significance)
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顎運動データの活用
従来の平均値設定ではなく、患者固有の動態データに基づく咬合設計を行うことで、より正確な前歯誘導の再現が可能。 -
デジタルワークフローの臨床応用
IOS・JTS・CAD/CAMの完全統合により、アナログ工程を排除し、作業効率・精度の向上を実現。 -
咬合調整ゼロの実現
バーチャルワックスアップと軌跡シミュレーションによって、調整を必要としないクラウンを再現。 -
診断から補綴までの一貫性
記録→設計→製作→装着までが一貫しており、診療工程の予測性が高い。 -
機能的パラメータの可視化
「generate virtual imprint」機能で、接触点の動的変化が視覚的に確認できる。
参考にしてみてください。

