矯正治療、審美歯科治療に必須!デジタル顎運動軌跡の記録装置であるzebrisを使ったセラミッククラウンの製作に関する最新の論文!その2
前回の続きです。
では、改善すべき点、今後の展望、推奨される研究について。
⚠ 改善すべき点(Limitations / Weaknesses)
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症例数の不足
1症例のテクニカルレポートにとどまり、臨床的汎用性や再現性を示すには不十分。 -
長期的な経過観察がない
6週間後の経過のみであり、長期の安定性・摩耗・補綴物の変形については未評価。 -
補綴物の種類が限定的
本研究では単冠に限られており、複数歯補綴や咬合再構築への応用は未検討。 -
JTS計測の精度に依存
WinJaw+の記録精度に依存しており、システムエラーや患者の運動再現性による誤差の可能性がある。 -
動的咬合の定義が曖昧
「前歯誘導の動的設計」としているが、咀嚼・側方運動に関する記述が乏しい。
🔭 今後の展望(Future Directions)
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多症例の臨床研究
前歯・小臼歯・大臼歯を含めた複数症例での臨床的有効性の検証。 -
複数ユニット・咬合再構成への展開
咬合再構築、フルマウスリコンストラクションなどへの応用。 -
他のJTSとの比較検討
Zebris以外(例:Modjaw, ARCUS digma)との精度・操作性・臨床成績の比較。 -
AIとの統合による自動設計化
得られた顎運動データと形態設計をAIで学習・自動化するシステム構築。 -
力学的解析との統合(FEM等)
設計された前歯誘導形態が関節や周囲歯列に与える影響を有限要素解析で評価。
🔬 推奨される研究テーマ(Recommended Research Topics)
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「動的設計 vs 静的設計」:前歯誘導の比較研究
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JTSの再現性と臨床的影響評価
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デジタル誘導設計による筋活動(EMG)変化の分析
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バーチャルアーティキュレーター設定の個別化効果
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咬合干渉ゼロ補綴の長期臨床研究
参考にしてみてください。

